読む映画リバイバル『色情三姉妹 ひざくずし』

再検!日活ロマンポルノ

ご当地お気楽ポルノの中で50年に一人の逸材と出会う

(1997年12月号より)

「50年に一人の逸材だよ、あんたは!」

どうです。普通こんなことを言われたら、
「いやあ、それほどでも……」

 なんて照れながら頭でも掻いたりしますよねぇ。だがあの男は違った。

 そう、梶原一騎という男は違ったのだ。
「たった50年か……」と嘆き、“俺の大好きな宮本武蔵などは500年に一人の逸材だものなあ……”と複雑な笑みを浮かべたのであった。

 それも警視庁の取り調べ室の中で!

 83年、梶原一騎が暴行傷害容疑で逮捕されたときのことだ。取り調べ官の冒頭の言葉を受けて、この男は大胆にも宮本武蔵と自分とを比べていたわけだ。まあそれにしても500年に一人の逸材とはまた武蔵も凄い評価を受けていたものである――って、何書いてんだか俺は!?

 いやはや、実は読書の秋ということで、梶原一騎著『地獄からの生還者』(幻冬社)ですっかり魅了されちゃいましてね。例のアントニオ猪木監禁事件の顛末とかも面白いんですよ、とアヴァンギャルドな言い訳をしたところで本題に突入。

「♬あ〜ホントやんなっちゃう」と西田ひかるの曲でも歌って何気にフンイキも変えまして、そういえば最近TVドラマがロマンポルノ化してますねぇ『失楽園』といい、観ましたか『不機嫌な果実』。

 石田ゆり子のあのベッドシーン!

 しかーし、TVドラマが到達できない世界がまだまだロマンポルノにはあると。それがこの『色情三姉妹 ひざくずし』であると。三姉妹といえば直ちに『スケバン刑事』の風間三姉妹ですが、浅香唯も復活する1997年に、『色情三姉妹』の夜這いシーンを観ることに何の意味があるのか? ズバリ長女と間違えられてあとからきた野郎にカマを掘られる男と、そんな騒ぎをよそにグースカ寝てる間にヴァージンを奪われちゃう三女。これぞ現代のTVドラマでは絶対に観ることのできない無形文化財的展開である、ってわけで今回は特にこの三女に捧げよう。
「50年に一人の逸材だよ、あんたは!」

[ビデオボーイ掲載]
●監督:白井伸明●出演:志麻いずみ、日向明子、深沢ゆみ、他●1979年●日本