読む映画リバイバル『壇の浦の夜枕合戦記』

再検!日活ロマンポルノ

もしも先にイってしまいそうになったら、こう云えばいいのだ

(1997年6月号より)

 王朝コスプレポルノ『壇の浦夜枕合戦』は、今でいうなら“壇の浦イメクラ遊び”といった趣の映画だ。

 かの天下分け目の戦で、平家の滅亡によって、源氏の囚われの身となった女官たち。案の定、宴の席で源氏のオスどもにヤリまくられるという「犬も歩けば棒に当たる」お話である。まァ、自分で書いておいて何が犬で何が棒なのかはよくわからないのだが、イメクラ嬢に十二単を着せるくらい説得力のない絵ズラがしばし楽しめることは間違いない。

 要するにイメクラ的「プレイ」感がバンバンな映画。これを「プレー」と記すと、また随分とニュアンスが違うだろう。俺は「プレイ」派だがキミはどっち派? 意味は同じでも語尾を伸ばすかどうかでそこに含まれている味わいってヤツが、微妙に変わってきちゃうと思うのだが。

 何でもいい。手頃な単語のあとに繋げてみよう。例えば“大根”なら(1)大根プレー(2)大根プレイ。

 どうだ。前者からは、大の大人が平凡なゴロを見事なまでにトンネルした草野球の光景なんかが浮かんでこないか? ところが後者はなにかとてつもなく淫靡で意味深な気配が濃厚だ。確実に根元まで、ブッといのが“入ってる”ってカンジがする。

 野球用語のダブルプレー、これもダブルプレイとするとたちどころにくんずほぐれつ男と女のスえた臭いが漂ってくるから不思議ではないか。

 あ、長々と力説してしまった。

 実をいえばこんなに脱線したにもかかわらず、先の“壇の浦イメクラ遊び”、正直いうとプレイもプレーも言葉的にはジャストフィットしてない気もする。今更それはナイぜ、セニョリータだが、その中間あたりっつうか、あえて表記を試みるならば、「壇の浦ぷれえ」

 これである。ちょっとヘナチョコ。それもこれも源頼朝扮する風間杜夫の、翻訳不可能な奥ゆかしい演技のせい。怖れ多くも皇后様にセックス指南を施し、座位で励んでこう一言。
「女陰に、お負けしそうです」

 そうして媚薬に手をのばす杜夫! さすが大根ぷれえ、である。言い訳も、誠に奥ゆかしいのだ。

[ビデオボーイ掲載]
●監督:神代辰巳●出演:渡辺とく子、風間杜夫、中島葵、他●1977年●日本